中学校 3年 技術家庭 機器の保守と事故防止
技術・家庭科(技術分野)の教科書に記載されている「漏電による感電事故の防止」の図や説明は、生徒にとっては極めて理解しにくい記述となっている。この問題を解決するために開発してきた3つの教具を使用しながら授業を展開した。はじめに、シミュレーション実験基板(実験パネル)を用いて、洗濯機で感電している状態、アースによって人体に電流が流れていないことを確認させる(人形につけたランプが点灯する)。次に、この状態をパネルに実態配線図の形で書かれた教具(回路パネル)を用いて、どのように電流が流れるか、その経路をゴムひもを用いてでたどらせ、その後、ゴムひもで示された複雑な回路を、簡単な見やすい回路に変形(ゴムひものため自由に伸び縮みする)させ、アースによる感電事故防止のしくみを考えさせる。
最後に、プレゼンテーションソフト(パワーポイント)が持つアニメーションの効果の機能を用いて、電流の流れを軌跡として表し学習のまとめとした。
感電事故防止をねらいとする教材としてのデジタルコンテンツは、方々当たったが見当たらなかった。そこで、プレゼンテーションソフトを用いた教材を開発した。
授業では、学習した内容を提示・シミュレーションしながら、学習のまとめとして使用した。
実態配線図や回路図をスクリーンに提示しながら、実際どの経路を感電の電流が流れるのか、アースした場合どの経路を電流が流れ、人体を感電から守ることができるのか、プレゼンテーションソフトが持つ「アニメーションの軌跡」の機能を用いて電流の流れを動きとして提示する。
実験パネルは感電事故やアースによる感電事故防止の確認のために、回路パネルは実験の分析と考察のために、プレゼンテーションソフトは学習のまとめとして使用したが、プレゼンテーションソフトで、学習した内容を提示ところ「オーッ」と歓声が上がった。興味関心が高いことを物語る。
また、このソフトで繰り返し繰り返し提示することによって学習内容が定着したと見られる。学習後の学習の自己評価では、約4割がプレゼンテーションソフトの提示で、約3割の生徒が回路パネルを使った教師の説明によって理解できたと答えている。