スーホの白い馬はモンゴルの民話である。海外の作品を読むときに、その文化的背景を知らないために物語の読みが深まらないと言うということは大人でもよくあることである。もちろん小学生が民話を読むという学習においては、作品から感じとれる部分についてのみを扱えばいいのであるが、今回は少し踏み込んで文化や物語を支える背景にまで話を広げて授業してみた。
広げるための素材として、写真などのデジタルコンテンツ、CD音楽、インターネットから集めた民族ゲームや民族衣装のお面などを活用した。
教室でホームページ画面を投影するという形の授業が初めてだったこともあり、非常に興味を持って取り組んだ。モンゴルの写真の中に、草原で倒れて白骨化した羊の写真などもあり子供たちはよく見ていた。これらはモンゴルという国の特徴をとらえることに役立ったように思う。本時のあと、ホームページからコピーしたすごろくゲームや、民族衣装の模型作りにも取り組んだが、それにも大変興味を持った。
デジタルコンテンツを活用したことは、子どもたちの興味を高めるという点で大変役立った。教室で液晶プロジェクターを使って投影するという方法も、様々な応用の考えられる方法だと感じた。
しかし、せっかくやるのであるなら、教室などではなく、パソコン室をつかってネットに接続したパソコンを児童が実際に操作する形で授業を行ったほうが、自分の興味関心に合わせた広がりが期待できるし、より意欲を高められたのではないかと思う。その後パソコン室へ行ったときにモンゴルのサイトに接続し、自分なりに興味を広げていた児童も多くいたので、今回の授業は、活用の入口としては良かったのかもしれないと考えている。