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小学校 4年 図工 光や風とあそぼう

指導案
授業概要

 同じ『風』という題名の絵画作品の鑑賞を通して表現の多様性を知り、作品 のよさや面白さに関心をもって見る態度を育てる授業である。次時にはすずら んテープやビニール袋を使って風を感じる簡単な活動をし、発想を広げ表現活 動へとつなげていく。
 授業の始めにプロジェクターで映した三枚の絵を見ながら題名当てクイズ を行った。その際三枚の絵の題名が同じということをヒントとして伝えた。ワ ークシートに自分の予想を書かせたあとクイズの答えを教える。題名とは作者 が表現したいことだということを伝え、その思いがどこに表現されているかを 考えさせる。班ごとにまとめて発表した。

今回の授業で活用したデジタルコンテンツ
今回の授業におけるデジタルコンテンツの活用

 自分なりの 思いを持たずに造形活動を行い、雑な作業で飽きてしまう児童に、 作品には作者の思いがあることを感じさせる。またすぐに友達同士で同じもの を作ってしまう児童には表現の多様性のよさやそれぞれ違うことの面白さを伝 える。そのために題名が同じで表現方法の違う作品をインターネットで探し、 プロジェクターで児童に鑑賞させた。
 鑑賞用に販売されている名画は複製でも高価である。また時代や作家も限ら れてしまうので柔軟に授業に合わせて選ぶほどの作品の種類が無い。その点イ ンターネットではとても多くの作家の作品が紹介されていて選択肢が広がる。 プロジェクターによって大きくして鑑賞することができ、細かい点に気付いた り興味をもつことができた。

児童・生徒の反応

 プロジェクターによって映し出された絵はその大きさだけで児童の興味を引 き出すのに十分だった。テーマは風の表現だったのだが鑑賞作品を探すのに苦 労し、4 年生に鑑賞させるものとしては分かりにくいものとなってしまった。
 しかし児童はその絵から作者の思いの表れているところを探そうと絵に近づい てみたり、パソコンで画像を拡大したりと意欲的に鑑賞する様子も見られた。 拡大できるということが児童の探究心を引き出す要因になったようで効果を 確認することができた。

授業を終えて

 展覧会の期間に行った鑑賞の授業と比べて意欲的に鑑賞する姿勢が見られ た。しかし自分自身がこのような授業の形態に慣れていないこともあって、児 童の意欲を生かしきれない面もあった。1つ目は提示の仕方である。3枚の絵 をどのように見せていくかである。1枚の絵が映っているときは他の2 枚を見 ることができないなど、児童の活動を止めてしまうことがあった。2つ目は調 べる段階での作品の見せ方である。プロジェクターに固執せずに班の活動の際 は各班に絵をプリントアウトして配るなどの工夫をすると児童の意欲をもっと 生かすことができる。
 インターネットによって作品を鑑賞できるような取り組みが美術館によって 進みつつある。これから環境が整うとさらに利用しやすくなる。